生物化

CFOメッセージ

 現在の中期経営計画 APTSIS 20における経営課題は、成長加速、収益力向上、財務基盤強化の3点です。 大きな構造改革を一巡させ APTSIS 20を開始した2016年度から、ROEが10%を超えるようになりましたが、これを継続的に実績化すること、また、同時に資本コストを低減していくことで、企業価値を引き上げていきたいと考えています。

ROE10%以上を継続的に

 MCHCグループにおいては、2017年4月の化学系3事業会社の統合により三菱ケミカルが発足し、2020年度までに協奏・成長の事業シナジー発現で350億円、合理化で150億円の統合効果目標を掲げて2年が経過しましたが、各々約130億円、140億円を実現しています。

 2018年度は産業ガス事業において欧米での大型事業買収を行いましたが、一方でポートフォリオの見直しは不断に行っており、撤退のみならず他社とのアライアンスも含めて再構築された事業の売上収益累計額(2017~2018年度)は約1,200億円にのぼるなど、継続的な利益向上に向けて着実に歩みを進めています。

 資産の効率化への取り組みも着実に進展しています。かねてより進めている、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)の短縮化、キャッシュ・マネジメントシステム(CMS)の欧米日亜4極体制の確立、定期的な保有意義の検証を通じた、保有意義の低下した資産の売却も一層進展し、2016年度の中計開始からこれまでの3年間で、当初の5年間の目標である3,000億円を上回る約4,500億円の資産効率化を達成しました。

資本コストの低減を通じたKAITEKI価値の向上

 2011年度より本格的に推進してきた我々のKAITEKI経営ですが、企業グループとしてKAITEKI価値の向上に取り組み、その成果についてはこの統合報告書などにて開示してきました。幸いなことに、世界的な社会的責任投資指標の一つであるDow Jones Sustainability World Indexの構成銘柄に2年連続で採用されるなど、評価いただけることも多くなりました。今後も、ESG要素が内包されたKAITEKI価値向上の取り組みについて、ステークホルダーの皆さまにストーリー性をもって説明をしていきたいと考えています。

 また、IR情報の発信も、2018年度より決算説明の英語音声でのネット配信を拡充するなど、海外向けを含めた開示の充実を図っています。もちろん、投資家などとのエンゲージメントについても、事業内容の深掘りを行う“IR Day”の開催や、国内外機関投資家との個別対話など双方向のコミュニケーション機会を積極的に創出するなど、継続して取り組んでいます。こうしたさまざまな取り組みが、企業リスクを下げ、資本コストの低減を通じた企業価値の向上に今後ともつながっていくと考えています。

2018年度の実績と2019年度の見通し

 2018年度は、上期は比較的好調に推移したものの、下期から需要の減速などを背景に製品需給が緩和するなど、総じて厳しい事業環境でしたが、売上収益は過去最高、コア営業利益および親会社の所有者に帰属する当期利益は2017年度に次ぐ過去2番目の実績となりました。その中で、産業ガス事業においては欧米での大型事業買収を行い、ネットD/Eレシオや親会社所有者帰属持分比率といった財務指標は一時的に悪化しましたが、できるだけ早期の改善をめざして収益の改善とともに財務基盤の安定強化に努めていきます。

 2019年度も、引き続き先行きの不透明な事業環境が見込まれますが、中計最終年度である2020年度末のネットD/Eレシオ目標1.0倍以下への財務指標の改善をめざし、フリー・キャッシュ・フロー1,900億円の確保や、ROS7%、ROE12%、ネットD/Eレシオ1.21を見込んでいます。

株主還元方針

 我々は企業価値=KAITEKI価値の向上を通じて、株主価値の向上をめざしています。株主還元につきましては、成長事業への投資、財務体質の強化と適切なバランスを維持しつつ、中期的な利益水準の30%を連結配当性向の目安にしています。加えて安定的な配当も考慮に入れて配当を実施します。2018年度の配当については、1株に付き中間配当・期末配当各々20円、通期40円(対前年+8円)となり、2019年度も、2018年度と同額の配当を予定しています。

執行役常務 最高財務責任者
Chief Financial Officer
伊達 英文
2019年9月(「KAITEKI レポート2019」掲載)

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